先に結論から書く。2026年8月現在、ランドクルーザー250を新車で注文する場合、選べるパワートレインはガソリン(VXグレードのみ)だけだ。 ディーゼル車はGX・VX・ZXの全グレードで2026年4月3日以降生産が停止しており、トヨタ自動車の発表では2026年12月以降に受注再開予定とされている。つまり「ガソリンかディーゼルか」という比較自体が、2026年8月時点では「今すぐ買えるガソリンか、数ヶ月待ってディーゼルを狙うか」という時間軸の選択にすり替わっている。

2024年の発売直後に書かれた比較記事の多くは、両パワートレインが同時に選べた時点の情報のまま更新が止まっている。本記事は、その前提が崩れた2026年8月時点の現実に立って、スペック・価格・使い方の向き不向き・そして「待つべきか」という意思決定を整理する。

なお、ディーゼルの生産停止・受注再開の背景となる新車価格の推移や中古市場の動きは、以前公開したランクル250リセール実勢データ【2026年最新】予想と現実で詳しく扱っている。本記事はそちらのデータと矛盾しないよう整合させた上で、パワートレイン選びに焦点を絞る。

スペック比較表(ガソリンVX/ディーゼルVX)

両パワートレインが同時に用意されていたVXグレードを基準に、カタログスペックを比較する。数値はグレード別カタログ情報(goo-net中古車カタログのグレード別ページに掲載された諸元)に基づく。

項目ガソリン(VX・2.7L)ディーゼル(VX・2.8L)
エンジン型式2TR-FE1GD-FTV
総排気量2,693cc2,754cc
最高出力163PS(120kW)/5,200rpm204PS(150kW)/3,000〜3,400rpm
最大トルク25.1kgm(246N・m)/3,900rpm51.0kgm(500N・m)/1,600〜2,800rpm
WLTCモード燃費7.5km/L11.0km/L
車両重量(VX)2,240kg2,380kg
駆動方式フルタイム4WDフルタイム4WD
乗車定員(VX)7名7名
牽引可能重量(ブレーキ装着トレーラー)1,500kg3,500kg
牽引可能重量(ブレーキ非装着トレーラー)750kg750kg

出典: goo-net中古車カタログ「ランドクルーザー250 VX(ガソリン)」「ランドクルーザー250 VX(ディーゼル)」(いずれも2026年8月確認)。牽引可能重量はトヨタ公式オンライン取扱説明書「重量(ヒッチメンバー付き車)」に基づく(グレード別ではなくガソリン車・ディーゼル車という区分での数値。許容車両総重量はガソリン車2,950kg・ディーゼル車3,100kg)

数字で見て分かるのは、ディーゼルが最大トルクでガソリンの約2倍(246N・mに対し500N・m)、しかも1,600rpmという低回転域からその力を発揮する点だ。最高出力そのものはガソリンより約25%高いが、これは高回転域での話であり、実用域での「粘り」の差はトルク値により大きく表れている。燃費もWLTCモードで7.5km/Lと11.0km/Lという明確な差がある。ただしこれはあくまでカタログ値であり、実際の燃費はオーナーの走行環境・積載・運転傾向によって変動する。オーナー実測データについては本記事では扱わず、燃費に特化した記事側で継続的に収集していく方針である。

なお、GX・ZXはディーゼルのみの設定(VXだけがガソリン・ディーゼルの両方を選べる構成だった)という点も、パワートレイン選びを考える上で押さえておきたい。ディーゼルGXの車両重量は2,320kgとVXディーゼルよりやや軽い。

価格差

新車価格は、パワートレインの違いだけでなくグレード構成によっても変わる。2024年4月の発売時点と、2026年4月の一部改良後の価格を並べる。

時期グレードパワートレイン価格(税込)
2024年4月発売時VXガソリン545万円
2024年4月発売時VXディーゼル630万円(ガソリン比+85万円)
2026年4月改良後VXガソリン577万9,400円(改良前比+32万9,400円)
2026年4月時点VXディーゼル生産停止中(新車価格の設定なし)

出典: トヨタ自動車 グローバルニュースルーム「ランドクルーザー”250”シリーズのガソリン車を一部改良」(2026年4月3日付)、ベストカーWeb「ランクル250が受注再開!!」(2026年4月3日付)

発売時点でディーゼルVXはガソリンVXより85万円高かった。この価格差は、トルク・燃費で見た性能差に対する対価と考えれば妥当な範囲だろう。ただし2026年4月の改良でガソリンVXは32万9,400円値上げされ、ディーゼルは生産停止中で価格自体が存在しない状態になっている。受注が再開される2026年12月以降、ディーゼルの価格がそのまま630万円で据え置かれるのか、ガソリンと同様に値上げされるのかは、本記事執筆時点では公式発表がない。

走行性能・使い方による向き不向き

スペック表の数値差は、実際の使い方に置き換えるとどう影響するのか。断定できる部分と、そうでない部分を分けて整理する。

トルク特性から言えること(スペックから読み取れる範囲)

  • ディーゼルは500N・mという大きなトルクを1,600rpmという低い回転数から発生させる。悪路での低速トルク、坂道発進、牽引時の粘りといった場面では、この特性が有利に働くと考えられる
  • ガソリンは246N・mとディーゼルの約半分だが、最高出力自体はディーゼルより高く、高回転まで回してから力を出すタイプの特性を持つ
  • WLTC燃費は11.0km/Lと7.5km/Lで、ディーゼルの方が数値上は優れている。長距離を頻繁に走る使い方ほど、この燃費差の累積は大きくなる

断定を避ける部分

静粛性(NVH特性)や実際の乗り味の違いについては、オーナーレビューや試乗記事など裏付けとなる一次情報を本記事執筆時点では確認できていない。一般論として「ディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりアイドリング時・低回転域での振動や音が大きい傾向がある」と言われることが多いが、これはランクル250固有の実測データではないため、本記事では数値化・断定はしない。実際の乗り味は試乗して確認することを推奨する。

牽引(トレーラーやボートの牽引、キャンピングトレーラーの使用など)を重視するなら、けん引可能重量の差は無視できない。トヨタ公式オンライン取扱説明書によると、ブレーキ装着トレーラーのけん引可能重量はガソリン車1,500kgに対しディーゼル車3,500kgと、2倍以上の開きがある。ブレーキ非装着トレーラーは750kgで両パワートレイン共通。中型のキャンピングトレーラーやボートトレーラーはブレーキ装着が前提になることが多く、それらの牽引を視野に入れているなら、この差はトルク特性以上に選択を左右する要素になり得る。なお公式取扱説明書のこの数値はグレード別(GX・VX・ZX)ではなくガソリン車・ディーゼル車という区分でのみ示されているため、正確な数値は購入前にディーラーで車両ごとの諸元を確認することを推奨する。

現時点の入手可否

2026年8月現在、ランドクルーザー250を新車で注文する場合の状況を整理すると次のようになる。

  • ガソリン(VX): 新車で注文可能。2026年4月改良後の価格は577万9,400円
  • ガソリン(GX・ZX): そもそもガソリンの設定がない(GX・ZXはディーゼル専用グレードのため、現時点で両グレードとも新車購入自体ができない状態)
  • ディーゼル(GX・VX・ZX): 2026年4月3日以降生産停止中。トヨタの発表では2026年12月以降に受注再開予定

つまり「ディーゼルを選べない」だけでなく、「GX・ZXというグレード自体が(ディーゼルのみの設定のため)現時点で新車購入できない」という点も見落とされがちだ。ディーゼルを検討している場合、選択肢は次の2つに絞られる。

  1. 中古車市場でディーゼル車を探す
  2. 2026年12月以降の受注再開を待つ

中古市場の状況についてはランクル250リセール実勢データ【2026年最新】予想と現実で詳しく扱っているが、要点だけ触れておくと、ディーゼル専用のGXは中古車販売サイトの掲載台数がわずか4台程度と極端に少なく、新車時価格を大きく上回る価格で取引されている例が確認できている(出典: グーネット中古車「GX」、2026年7月時点)。品薄状態が価格に直接反映されている状況だ。

判断フロー・まとめ

ここまでの情報を、読者自身の状況に当てはめて整理する。

  • 今すぐ乗りたい/納期を待てない → 選べるのはガソリンVXのみ。ディーゼルを待つという選択肢はそもそも成立しない
  • 牽引・悪路走行の頻度が高く、低速トルクを重視する → ディーゼルの特性が向いている可能性が高い。中古の在庫を探すか、2026年12月以降の受注再開を待つ価値がある
  • 年間走行距離が長く、燃費の累積差を重視する → WLTCモードで11.0km/Lと7.5km/Lの差があるディーゼルが有利。ただし受注再開後の価格が据え置かれるかは未確定
  • GX・ZXグレードのボディ・装備を希望している → 現時点でどちらもディーゼル専用のため、新車で買うなら受注再開を待つ以外の選択肢がない(中古を除く)
  • 牽引や悪路走行の予定がなく、街乗り・高速中心 → ガソリンVXで実用上困ることは少ないと考えられる。今すぐ注文できる利点は大きい

結論として、2026年8月時点で「今すぐガソリンを買うか、12月の受注再開を待つか」は、性能の優劣だけでなく「待てるかどうか」という時間的な制約によって決まる部分が大きい。ディーゼルの性能的な優位性(トルク・燃費)は数値上明確だが、それを享受するには数ヶ月の待機か、品薄な中古市場での購入という追加コストを払う必要がある。

よくある質問(FAQ)

Q. 2026年8月時点でディーゼルは新車で選べる?

選べない。2026年4月3日以降、ディーゼル車(GX・VX・ZX全グレード)は生産停止中で、新車では注文できない。トヨタの発表では2026年12月以降に受注再開予定とされている(出典: トヨタ自動車 グローバルニュースルームベストカーWeb。現時点で新車購入できるのはガソリンのVXグレードのみで、GX・ZXはディーゼル専用グレードのため新車購入自体ができない状態にある。

Q. ガソリンとディーゼル、燃費や維持費にどれくらい差がある?

WLTCモード燃費はガソリンVXが7.5km/L、ディーゼルVXが11.0km/Lで、カタログ値ではディーゼルが優位である(出典: goo-net中古車カタログのグレード別ページ)。ただしこれはあくまでカタログ値であり、実際の燃費はオーナーの走行環境・運転傾向によって変動する。オーナー実測に基づく具体的な燃費データは本記事では扱っていない。また軽油とレギュラーガソリンの燃料価格差、ディーゼル特有の点検・維持項目(DPF等)の維持費については、本記事執筆時点で裏付けとなる一次データを確認できていない。

Q. ガソリンとディーゼルで走行性能(トルク・牽引力)はどう違う?

最大トルクはガソリンVXが246N・m(3,900rpm)、ディーゼルVXが500N・m(1,600〜2,800rpm)と、ディーゼルが約2倍かつ低回転域から発生する特性を持つ。悪路での低速トルクや牽引時の粘りにはディーゼルが有利と考えられる。一方、最高出力はガソリンVXの163PSに対しディーゼルVXは204PSで、こちらもディーゼルが上回る。牽引可能重量はブレーキ装着トレーラーでガソリン車1,500kgに対しディーゼル車3,500kgと2倍以上の差があり、ブレーキ非装着トレーラーは750kgで両パワートレイン共通である(出典: トヨタ公式オンライン取扱説明書)。ただしこの数値はグレード別(GX・VX・ZX)ではなくガソリン車・ディーゼル車という区分でのものなので、正確な数値は購入前にディーラーで確認することを推奨する。

Q. ディーゼルの受注再開を待つべきか、今ガソリンを買うべきか?

牽引・悪路走行の頻度が高く低速トルクを重視するなら、待つ価値がある可能性が高い。一方、納期を待てない、あるいは牽引・悪路走行の予定がなく街乗り・高速中心の使い方であれば、今すぐ注文できるガソリンVXで実用上困ることは少ないと考えられる。受注再開後のディーゼル価格が据え置かれるか値上げされるかは未確定である点も、待つかどうかの判断材料に加えておきたい。

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